アダニ・グループを率いるゴウタム・アダニ氏は世界第3位の富豪(C)AFP=時事

 

 インドの新興財閥「アダニ・グループ」は、資源・エネルギーから空港・港湾、消費財、IT(情報技術)まで多彩な事業を手掛け、今年に入ってからも積極果敢なM&A(企業買収)や提携、新分野への進出で急速に事業を拡大している。2024年総選挙で3選を目指すナレンドラ・モディ首相との緊密な関係も指摘される「政商」の勢いは止まらず、8月にはインドの有力ニュース・テレビ局「NDTV」に敵対的買収を仕掛けた。 

 しかし、これが波紋を広げている。 

モディの立身出世とともに拡大 

 アダニ・グループを率いるのは創業者のゴウタム・アダニ会長(60)。大学を中退して開業した小さな貿易会社「アダニ・エクスポーツ」(のちのアダニ・エンタープライゼス)が出発点だった。 

 その後、同じグジャラート州出身の「盟友」モディ氏の立身出世と歩調を合わせるように事業を拡大。食品から自動車、宝石、ITまでを幅広く手掛けるタタ・グループや、石油化学から始まって電気通信や小売業へと事業を拡大したリライアンス・グループとは異なり、資源・エネルギー部門に活路を見出してきた。 

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