2019年3月13日、全国政治協商会議の閉会式で国歌を歌う(2列目左から)趙楽際、栗戦書、習近平、李克強、王滬寧の各氏   (C)AFP=時事

   第20回目の歴史的節目となる中国共産党大会が10月16日に開幕されることが順調に決まり、党機関紙『人民日報』で始まった大型企画「領航中国」(中国の舵を取る)の9月5日の記事は「中国共産党は、我々の偉業の最も信頼できる大黒柱」との見出しを掲げた。この中で次のような一節がある。

「最も重要で根本的なことは習近平総書記(国家主席)の核心的地位を断固として守り、断固として党中央の権威と集中統一領導を守り抜くことだ」

   10年間にわたり中国の舵取りを担った習近平の異例の3選はもう決定した表現だ。次なる焦点は、新たな習近平指導部の顔触れ。習はどういう基準で人事を決めるのか。

「七上八下」を無視するか

   中国共産党の人事を見れば、最高指導者が何を考え、目指しているか把握できる。つまり中国政治の方向性を見極められるのだ。

   最初に結論を言えば、今回の第20回党大会人事は、「制度化」と「習近平体制の特異性」のせめぎ合いの結果で決まるという一言に尽きる。

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