「無知」だから日本を買わないのか、知れば知るほど買えないのか[マネックス証券が二松学舎大学付属高校2年生を対象に行った出張講座=3月22日](C)時事

 岸田文雄首相が旗を振る「新しい資本主義」の柱のひとつに「資産所得倍増プラン」がある。これまでも政府が掲げてきた「貯蓄から投資」の政策をさらに進めて、投資による収益を増やすよう促そうというものだ。

 個人金融資産が2000兆円もあるのだから、低金利の銀行預金ではなく、株式などの投資に回せば、所得を大きく増やせるというわけだ。もちろん、個人金融資産は高齢者や富裕層に偏在しているので、「資産所得倍増」で潤うのは金持ちだけだ、という批判はあるが、それはひとまずおいておく。

 岸田内閣として初めてまとめ、6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022」、いわゆる「骨太の方針」でも「貯蓄から投資」の政策強化がうたわれている。「個人金融資産2000兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有されている」とし、「貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進め」、投資による資産所得倍増を目指すとしたのだ。具体的には、「NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充や、高齢者に向けた iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、「政策を総動員」するとし、2022年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定するとした。

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