前途多難な山口代表(C)時事

 

 公明党は9月25日の党大会で、同日に任期満了を迎えた代表選に関し、山口那津男代表(70)の無投票8選を正式に承認した。当初はこの期に世代交代を図る予定だったが、来春の統一地方選に向けて党勢の立て直しを図るには山口氏しかいないとの声が強まり、一転して続投が決まった。改めて人材難が浮き彫りになったが、自民党とのパイプの先細りや支持母体・創価学会の高齢化など難題が山積しており、山口氏の前途は険しい。

「後継難」という深刻な病巣

「次世代を担う議員とともに闘う中で、これまで培った経験をしっかりと伝え、後進の育成に全力を注ぐ決意だ」

 山口氏が党大会のあいさつで、主だった政策より前に口にしたのは「後進の育成」だった。裏返せば、8期目の任期を迎えざるを得なかった背景に、「後継難」という党の深刻な病巣があると自覚しているともいえる。

 山口氏は2009年から代表を務め、在任期間は今年で13年に及ぶ。前回20年の代表選では、次の7期目を「次世代に党運営の主体を移す移行期」と語り、世代交代を図る方針を明言。今春までは、党も学会側も山口氏が今季限りで勇退する前提で、世代交代に向けた調整を進めてきた。

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