10月23日、中国共産党第20回全国代表大会が終了した翌日に、新たな中国共産党人事が発表された。中央軍事委員会の人事について、前稿『中国共産党大会「中央軍事委員会」人事の注目点』で見どころを挙げていたが、どのような結果となっただろうか。
前稿では注目すべきポイントとして、①年齢制限はどこまで適用されるのか、②選出基準は何か、③どのようなキャリアパスが有力か、④軍種バランスはどうなるか、という4点を指摘していた。本稿ではこれらがそれぞれどのような結果となったかを考察する。
年齢制限はどこまで適用されたか
72歳の張又侠が副主席に留任
大会前、68歳定年という党内慣行を習近平が破ることは確実視されていたが、これを彼以外の幹部にどこまで適用するかが注目点であった。
前稿では中央軍委において人事の滞留を防ぐという観点から、72歳の2人の副主席である許其亮と張又侠の引退は既定路線として、68歳の魏鳳和(国防部長)や69歳の李作成(中央軍事委員会連合参謀部参謀長)も引退するだろうと論じた。しかし結果として、この4人のうち張又侠だけが引退せずに副主席として残留する結果となった。これは今回最大のサプライズだった。
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