ペガサスを使った監視・スパイ活動は各国で政治問題化している  (C)Reuters

[メキシコシティー発(ロイター)] メキシコ北部の都市モンテレイの中道左派野党「市民運動」に所属するアグスティン・バサベ・アラニス下院議員は10月18日、自身の携帯電話がスパイウェア「Pegasus(ペガサス)」に感染していたと明らかにした。これでロペス・オブラドール大統領によるペガサスの使用疑惑は4件目となる。

 ペガサスはイスラエルのスパイウェア会社NSOグループが開発したもので、政府や法執行機関にのみソフトウェアを販売している。メキシコ前政権下では政権に批判的な人物を監視するために使用され、ロペス・オブラドール大統領はスパイウェアの使用を止めると宣言していた。

 メキシコのデジタル権利団体「R3D」が10月に発表した報告書によると、2019年から2021年の間、ジャーナリスト2人と活動家1人の携帯電話がスパイウェアに感染していたことが明らかになった。バサベ氏の告発は、こうした報告の後に行われた。

 2018年末に就任したロペス・オブラドール大統領は、最近の3件のスパイウェア使用疑惑について聞かれた際、反体制派やジャーナリストへのスパイ行為を否定した。軍は諜報活動を行ったが、「スパイ行為はなかった」と報告している。

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