ベングヴィール氏に大きな借りをつくったネタニヤフ氏(C)AFP=時事
 

 11月1日のイスラエル総選挙(定数120)で、ベンヤミン・ネタニヤフ元首相率いる右派陣営が64議席を獲得し、中道、左派が中心のヤイル・ラピド連立政権に勝利した。ネタニヤフ氏は1年ぶりに首相に復帰する見通しだ。

「市民が今までと違う国を求めていることは明らかだ。安全保障、そして物価の安定だ。(政府に)弱さではなく、力強さを求めたのだ」

 ネタニヤフ氏は2日、支持者との集会で満面の笑みを浮かべ、こう述べた。

 選挙結果をおさらいしておこう。

 右派陣営では、ネタニヤフ氏率いる右派「リクード」が32議席で第1党。極右の政党連合「宗教シオニズム」が前回選(2021年3月)から8議席増やして14議席、2つのユダヤ教政党が計18議席を獲得した。

 一方、政権側はラピド首相率いる中道政党「イエシュアティド」が24議席で第2党だったが、ベニー・ガンツ国防相とギドン・サール司法相が連携した中道政党「国民団結」が12議席、左派の労働党が4議席にとどまった。

 前回、6議席だった左派のメレツに至っては、議席を獲得するための最低得票基準(投票総数の3.25%)を満たせず、議席ゼロに終わった。

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