G7広島サミットカウントダウンボードの点灯式に臨む岸田文雄首相=5日午前、首相官邸(C)時事

 

国際機関・協力枠組みの議長国に注目

 2023年は国際機関や国際的な協力の枠組みにおける議長国の顔ぶれが興味深い年となっている。G20(主要20カ国)の議長国を務めるのは、ロシア・ウクライナ戦争や米中新冷戦において第3極のような立ち位置にあるインドであり、APEC(アジア太平洋経済協力)の議長国は新冷戦の当事者である米国だ。どちらの枠組みにもロシアと中国が参加しており、印米の議長ぶりや、9月9・10日のG20サミット(ニューデリー)、11月のAPEC首脳会議(サンフランシスコ)に注目が集まるだろう。

 インドは中露が主導するSCO(上海協力機構)でも議長国を務めており(22年9月~23年9月)、こちらの首脳会議もG20サミットと同じ9月にニューデリーで開かれるため、ニューデリーは新冷戦下の大国外交の大舞台となりそうだ。

 他方、旧ソ連圏の国家で構成されるCIS(独立国家共同体)の23年の議長国はキルギス。2020年の反政府運動の高まりを受けて誕生したサディル・ジャパロフ政権は親ロシア路線を維持しているものの、国内ではウクライナ侵攻への反発が強く、ウクライナ関連の集会を禁止するなど難しい立場にある。首都ビシケクで10月13日にCIS首脳会議が開催される。それまでに戦争が終結していることは、指導者側の願いでもあるはずだ。

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