エルドアノミクスは信任を得られるか(C)REUTERS
 

[イスタンブール/ロンドン発(ロイター)]何年もの間、激しいインフレと通貨下落に苦しんできたトルコの人々は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領による統制経済を推し進めるのか、それを捨てて痛みを伴う自由主義経済への回帰を選ぶのか、決断を迫られる。

 今年5月に予定されている大統領選挙と議会選挙は、1923年のトルコ共和国建国からちょうど100年が経つ歴史の中で最も重要といっても過言ではない。2003年に首相の座に就き、2014年から大統領を務める68歳のエルドアンが、権力を握り続けるのかが問われる。その選択は、インフレによる生活費の高騰という生活の危機が少しだけ好転しつつある国民にとっては大きな分岐点となる。

 国際投資家たちも選挙の行方を注視している。彼らの多くはこの5年、繰り返される市場の混乱とトルコ政府の奇抜な経済政策「エルドアノミクス」から逃げるようにして投資を引き揚げた。ファンドマネージャーたちはロイターの取材に、エルドアンの対立候補が勝つ兆しさえ見えれば、「エルドアノミクス」が撤回される見通しのもと、トルコの資産価値はかなり持ち直すだろうと話す。とはいえ、経済や金融市場の急激な方向転換は、経済と金融市場に不確実性をもたらすことも意味する。

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