タタグループ傘下で復活を遂げるエア・インディア(C)AFP=時事
 

 事実上の経営破綻に追い込まれ、2022年1月に有力財閥タタ・グループ傘下に入ったインドのフラッグシップ・キャリア「エア・インディア(AI)」が、本格再建に向けて好調な歩みを続けている。

 この2月に米ボーイング、欧州エアバス・インダストリーズから約500機に及ぶ航空機を調達するという業界史上過去最大の計画を発表して世界の度肝を抜いただけでなく、収益や定時運航率、搭乗率などの数字も顕著な改善が見られる。ドル箱の国際線では欧米向けの直行便を相次ぎ新増設し、利益の柱を徐々に確保。コロナ感染をほぼ抑え込んだインドでは、航空機旅客数もコロナ前の水準を回復しつつある。航空各社は新たな競争に備えてサービス強化や新規投資に余念がない。

 民営化から1年、名門復活を目指すAIの視界はいまのところ良好だ。

史上最大のオーダー

 2月中旬、AIはボーイングとエアバスとの間で計470機の購入に正式合意した。総コストは約800億ドル。内訳は最新鋭のボーイング737Maxが190機、大型機の777、787がそれぞれ10機、20機。エアバスからは、使い勝手の良い小型機A320ネオが210機、ワイドボディのA350が40機。このほかにもエアバス機25機をリースする計画なので、一度の調達規模は495機に達し、2011年のアメリカン航空による460機の調達を上回り、過去最大となった。

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