民営化から1年「エア・インディア」復活へのテイクオフ

執筆者:緒方麻也 2023年2月28日
タグ: インド
エリア: アジア
タタグループ傘下で復活を遂げるエア・インディア(C)AFP=時事
 
モディ政権による国営企業改革の中で最も難航したケースの1つが、巨額赤字が累積していた航空大手「エア・インディア(AI)」の民営化だった。だが、2021年末に有力財閥タタ・グループ傘下に入って1年、再建は順調に進んでいるという。名門の復活となるか――。

 事実上の経営破綻に追い込まれ、2022年1月に有力財閥タタ・グループ傘下に入ったインドのフラッグシップ・キャリア「エア・インディア(AI)」が、本格再建に向けて好調な歩みを続けている。

 この2月に米ボーイング、欧州エアバス・インダストリーズから約500機に及ぶ航空機を調達するという業界史上過去最大の計画を発表して世界の度肝を抜いただけでなく、収益や定時運航率、搭乗率などの数字も顕著な改善が見られる。ドル箱の国際線では欧米向けの直行便を相次ぎ新増設し、利益の柱を徐々に確保。コロナ感染をほぼ抑え込んだインドでは、航空機旅客数もコロナ前の水準を回復しつつある。航空各社は新たな競争に備えてサービス強化や新規投資に余念がない。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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