避難民支援のテントが並ぶウクライナ国境の町、ポーランド・メディカ(2022年4月1日、筆者撮影)

 

 2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵略開始から1年が経過した。この間、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、累計でウクライナ人1200万人余り(重複を含む)が欧州諸国で避難民などとして登録され、隣国ポーランドには国別で最大の960万人(同)が入国した。戦争が長期化する中、西側諸国では支援疲れも報じられるが、ポーランドの避難民支援姿勢は揺らいでいないようだ。

 侵略開始直後、ポーランド避難民をめぐる状況は危機的となった。10日間で、ウクライナから105万人が国外に逃れ、そのうち最多の55万人がポーランドに入国した。ポーランドは官民挙げて対応に当たった。

 筆者は昨年3月終わりから4月にかけて、ポーランドのウクライナ国境や首都ワルシャワを訪れ、避難民を取材する機会があった。この時点で、250万人以上がポーランドに流入していた。

 だが、私が取材した範囲では避難民受け入れに大きな混乱は見られなかった。

 国境の町メディカではポーランド内外の支援団体のテントが列をなした。クラクフの民間支援団体が運営する住居斡旋施設でも、多くのポーランド人学生がボランティアとして働いていた。至る所にウクライナ国旗が掲げられた。ポーランドは津波のように押し寄せた避難民を、強い連帯の熱気で迎えていた。

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