金正恩氏は「象徴」(2023年3月26日~4月1日)

執筆者:礒﨑敦仁2023年4月3日
核兵器研究所で説明を受ける金正恩総書記(『わが民族同士』HPより)。背後のパネルに「火山31」の文字が見える
 

 3月28日付では、小型化した核弾頭と見られる「火山31」を前に金正恩(キム・ジョンウン)総書記が核兵器研究所からの説明を受ける様子が報じられた。爆発する「火山」なるネーミングは初めて公表されたが、「31」が何を意味するのかは分からない。2016年2017年の核実験の前には同じように核弾頭を前にした金正恩氏の写真が公開されていたため、核実験強行の予兆ではないかと見る動きもあるが、当時と異なり今回は核実験を直接示唆する表現が見当たらない。また、金正恩氏の発言も「われわれの核兵力が相対する敵は、ある国家や特定の集団ではなく戦争と核の戦禍そのものだ」と抑制気味である。

 同時に、『労働新聞』題字右のスローガンにも目が行った。『労働新聞』の題字横には、常にスローガンが掲げられる。1968年2月7日付までは左に重要スローガンが、右側には「今日付の主要内容」が記載されていたが、2月8日付から左右それぞれにスローガンが掲げられるようになった。左には党の大きな方針が定型文句で、右にはその日の行事や時期的な重点事項に合わせたスローガンが掲げられるという型が定着して既に半世紀以上である。

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