4月19日付紙面で報じられた、国家宇宙開発局を現地指導する金正恩党総書記とその「お嬢さま」(左)(『労働新聞』HPより)
 

 4月17日付は普段よりも2ページ多い8面構成となった。金正恩(キム・ジョンウン)総書記出席のもと平壌市内で1万世帯住宅の竣工式が盛大に挙行されたためである。高層マンションを含む一連の住宅は、金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)の遺体が永久安置されている、「主体の最高聖地」錦繍山(クムスサン)太陽宮殿に近い和盛(ファソン)地区に建設された。

 同日付第5面には、「敬愛する金正恩同志が太陽節に際して開催された内閣と国防省職員たちとの間のスポーツ競技を観覧された」との記事も掲載された。PK戦に持ち越されたサッカーの試合では国防省チームが内閣チームに5対3で勝利し、続いて行われた綱引きの試合でも国防省チームが勝利したという。2月17日にも金正日誕生日「光明星節」(2月16日)に際して同様の試合があり、金正恩氏が娘とともに観覧する様子が翌日付で大きく報道されていた。

 今回のスポーツ関連にも娘が同席しているが、その事実は活字に表れていない。昨年11月の初登場以来、「愛するお嬢さま」「尊貴であられるお嬢さま」「尊敬するお嬢さま」などと表現されてきたが、2月26日付を最後に「お嬢さま」への言及はなくなった。しかし、重要イベントには頻繁に同行しており、国家宇宙開発局への現地指導の様子を報じる4月19日付は、1面トップに父娘の大きな写真を載せ、娘の存在感は一段と大きくなっているように見える。彼女に対する報道ぶりの変化は今後も注視すべきである。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。