長野光と関瑶子のビデオクリエイター・ユニットが、フォーサイト読者に向けて発信するYouTubeチャンネル「Point Alpha」。今回は内閣府の「人間中心のAI社会原則会議」議長や総務省の「AIネットワーク社会推進会議」議長を務め、社会情報学に精通している須藤修氏に関瑤子が聞いた。 ※主な発言を抜粋・編集してあります。

「性能の差を料金化」がビジネスの主流に?

──ChatGPTをはじめとする、生成AIとはどのようなもので、以前のAIとは何が異なるのでしょうか?

 「生成AIは英語で『Generative AI』と言います。Googleにいた研究者アシシュ・バスワニ等が『Transformer』という深層学習モデルのアルゴリズムを開発しました。この研究チームの一部が、OpenAIに移籍して製品化したものがChatGPTです」

 「『Transformer』は自然言語処理(NLP)という方法で人と会話をします。ユーザーはチャットに質問を書き込み、この書き込みがAIへの命令になる。命令に従ってAIは文章を作り回答します」

 「画像生成AIの場合は、私が『Aさんの顔をクロード・モネ(フランスの印象派の画家)っぽく描いてください』と頼むと、AIはこれまでにインターネット上に蓄積された数十万に及ぶモネの絵や写真などのデータを集め、Aさんの顔をウェブ上から探し出してきて、加工してモネ風のAさんの肖像画を創り出します」

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