8月28日、海軍節に際して人民軍海軍司令部を祝賀訪問した金正恩総書記(中央)。その右に、愛娘の「金ジュエ」(『わが民族同士』HPより)
 

 8月27日付は第4面に、前日付の「国家非常防疫司令部通報」を掲載した。「世界的な悪性伝染病感染状況が緩和されたことに関連して防疫等級を調整することにした国家非常防疫司令部の決定により、海外に滞在していたわが公民の帰国が承認された。帰国した人員は1週間、該当の隔離施設で徹底した医学的監視を受ける」との短い内容である。

 29日付は、「海軍節」に際しての金正恩(キム・ジョンウン)総書記の動静報道を4ページにわたって掲載した。第3面には金正恩が海軍司令部で行った祝賀演説、第4面には慶祝宴会の様子が報じられた。5月17日付以来、105日ぶりに愛娘の帯同が公開され、今回は「愛するお嬢さま」と表現された。『労働新聞』では2月26日付を最後に「お嬢さま」への言及がなくなっており、活字上では半年ぶりの復活となった。

 また、祝賀演説では「大韓民国」への痛烈な批判が展開された。先月から金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会副部長や強純男(カン・スンナム)国防相が韓国を「大韓民国」と呼んだことが注目されていたものの、金正恩による言及が確認されたのは初めてである。とはいえ、あくまでもカギカッコ付きの「大韓民国」であり、韓国を一主権国家として認めたわけではない。もはや同族の「南朝鮮」ですらなく、「米帝」の手先に成り下がった別国家という認識で突き放しながら揶揄したものと捉えうる。

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