Weekly北朝鮮『労働新聞』 (28)

「大韓民国」呼称は主権国家の認知にあらず(2023年8月27日~9月2日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年9月4日
エリア: アジア
8月28日、海軍節に際して人民軍海軍司令部を祝賀訪問した金正恩総書記(中央)。その右に、愛娘の「金ジュエ」(『わが民族同士』HPより)
金正恩は3カ月ぶりに愛娘を同行させた「海軍節」で「大韓民国」を痛烈に批判。正式国名で呼んだ含意が注目されるが、韓国を主権国家として認めたわけではない。同族の「南朝鮮」ですらない「米帝」の手先として突き放したと見るべきだろう。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 8月27日付は第4面に、前日付の「国家非常防疫司令部通報」を掲載した。「世界的な悪性伝染病感染状況が緩和されたことに関連して防疫等級を調整することにした国家非常防疫司令部の決定により、海外に滞在していたわが公民の帰国が承認された。帰国した人員は1週間、該当の隔離施設で徹底した医学的監視を受ける」との短い内容である。

 29日付は、「海軍節」に際しての金正恩(キム・ジョンウン)総書記の動静報道を4ページにわたって掲載した。第3面には金正恩が海軍司令部で行った祝賀演説、第4面には慶祝宴会の様子が報じられた。5月17日付以来、105日ぶりに愛娘の帯同が公開され、今回は「愛するお嬢さま」と表現された。『労働新聞』では2月26日付を最後に「お嬢さま」への言及がなくなっており、活字上では半年ぶりの復活となった。……

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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