2020年1月6日、ネバダ州ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)でウーブン・シティ構想などについて語った豊田章男氏 (C)AFP=時事

 

 トヨタ自動車が発表した先端技術の開発を担う子会社の役員人事が波紋を広げている。

 今後の自動車技術の中核となるソフトウェアなどの開発を手がける子会社ウーブン・バイ・トヨタをリードしてきたジェームス・カフナー社長(52)が、10月1日付で退任すると発表された。後任にはグループではあるものの、社外のデンソー出身の隈部肇(くまべ・はじめ=59)氏が就任する。さらに、トヨタの常務役員在任中、麻薬の密輸容疑で逮捕されたジュリー・ハンプ氏(63)がウーブン・バイ・トヨタの社外取締役に就くことも決まった。トヨタの先端技術開発に何が起こっているのか。

自力ではIT人材を確保できず

 トヨタは自動車メーカーからモビリティカンパニーへとフルモデルチェンジすることを掲げており、これを実現するための中核を担っているのがウーブン・バイ・トヨタだ。車両のソフトウェアOS(基本ソフト)、プラットフォーム、自動運転・先進運転支援システムの開発や、静岡県裾野市の東富士工場跡地に建設中の実験都市「ウーブン・シティ」などを手がけている。豊田章男会長(67)の長男である豊田大輔氏(35)がシニア・バイス・プレジデントを務めていることを見ても、トヨタにとってウーブン・バイ・トヨタが未来の開拓者であることは明らかだ。

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