緑色が「賛成」、赤色は「反対」に色分けされた投票箱のうち、緑のほうに投票する金正恩(『労働新聞』HPより)
 

 11月26日付1面トップは、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が国家航空宇宙技術総局の平壌総合管制所を訪問したことについての記事であった。21日深夜の軍事偵察衛星打ち上げ以来、同管制所への訪問は既に3回目となる。金正恩は、2018年から19年にかけて陽徳(ヤンドク)温泉リゾートの建設現場に足しげく通ったが、今回の管制所訪問頻度はそれを格段に上回っており、最高指導者の偵察衛星保有に対するこだわりが再確認されることとなった。28日付と30日付の1面トップも、平壌総合管制所から金正恩が報告を受けたことを報じている。

 なお、『労働新聞』など国内向けメディアは、5月の初打ち上げに失敗した事実を2週間以上経ってから報じ、8月の再打ち上げに失敗した事実に至っては全く報じていないため、北朝鮮の人々には半年前の失敗を克服して「成功」に繋がったものと受け止められている。

新たな投票方法もガス抜きにならず

 26日付1面中段には、社説「地方人民会議代議員選挙に高い政治的熱意を抱いて参加してわれわれの革命主権を盤石のように固めよう」が掲載された。同日は、選挙法が改正されてから初の投票日であった。翌27日付1面は、金正恩が道、市、郡の人民会議の代議員選挙に参加したと報じた。選挙法の改正により今回から投票箱が「賛成」「反対」の二つに分かれたが、金正恩が緑色の「賛成」箱に投票している写真が大きく掲載されている。1960年代までの白黒2色の投票箱よりもカラフルである。

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