独裁体制を敷いた理事長が逮捕された日大で、今度は理事長が副学長の解任をできずに迷走するという逆の問題が発生した[文科省にガバナンス改善計画を再提出した日本大学の林真理子理事長(中央)。右は同大学の大貫進一郎副学長。左は篠塚力監事=2023年12月25日、東京都千代田区](C)時事

 現職の理事長が逮捕されるという前代未聞のスキャンダルから2年がたった日本大学。絶大な権力を振るった田中英寿・元理事長体制を一新して誕生したはずの林真理子体制でも、再びスキャンダルが勃発した。なぜ、日大でこれほどまでに世間を騒がす不祥事が続くのか。

 これは決して日大だけの問題ではなく、大学を運営する学校法人が抱える「ガバナンス」の欠陥が背景にある。すったもんだの末に成立し2025年4月から施行される改正私立学校法では、大学のガバナンス強化に向けて各大学の取り組みを求めている。青年人口が今後大幅に減少し、生き残りに向けた競争が一段と激しくなる中で、大学経営を左右するガバナンスの行方を追う。

ガバナンス強化を逆手にとる人々

 「何としても林理事長を引きずり下ろそうという勢力が暗躍しているんです」と日大の改革派関係者は語る。

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