新年の祝賀イベントに登場した金正恩ファミリー(『労働新聞』HPより)

 2023年12月26日から30日の5日間、朝鮮労働党中央委員会第8期第9回全員会議(総会)拡大会議が開催され、『労働新聞』12月31日付は12面構成のうち1面から9面にかけて詳報した。わが国メディアでは、3基の偵察衛星を追加で打ち上げる方針が示されたことに関心が集中したものの、金正恩発言は多岐に亘っており新年を展望するうえで重要な分析材料となる。

 新年の施政方針は、金正日(キム・ジョンイル)時代は「新年共同社説」、金正恩(キム・ジョンウン)政権初期の2013年から2019年は「新年の辞」で発表された。2020年と2022年、2023年も前年末に全員会議を開催して1年間を総括し、新年の方針を示すという形式がとられたが、今回は12月30日に閉幕して翌31日にその詳報を出すという点で若干の変化が見られた。なお、2021年だけは金正恩による全人民への「親筆書簡」発表にとどまっていた。

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