
人口2億の重点州、ウッタルプラデシュ州では議席を大きく減らした[勝利演説を行うBJP党本部に到着したモディ首相=2024年6月4日、インド・ニューデリー](C)EPA=時事
4日に一斉開票が行われたインド総選挙の結果をどう捉えるべきか。有権者数9億7000万人のこの巨大選挙を「民主主義の試金石」と位置付けた議論が目につきます。一時は圧勝観測もあったBJP(インド人民党)が予想外の苦戦を経験したのは「民主主義が機能したゆえ」――それはその通りだとしても、我々西側の視点で政治体制競争の文脈に回収する前に、インドで現実に起きていることをもっと仔細に見る必要がありそうです。
たとえば、経済成長が続きながらなぜ若者の失業率が高止まりするのか。低所得層の反発を招いたという格差拡大はどこで発生しているか。BJPモディ政権の一大政治イベントとして、巨大なヒンドゥー寺院の完成式が年初に行われたウッタルプラデシュ州で何が起きたか。一歩踏み込んだ論考をピックアップしました。
フォーサイト編集部が週末に熟読したい海外メディア記事5本、皆様もよろしければご一緒に。
The people and places that turned away from the BJP【Economist/6月6日付】
台湾総統選、インドネシア大統領選、ロシア大統領選、韓国総選挙、メキシコ大統領選、欧州議会選、英国総選挙、そして11月には米大統領戦――。年が明ける前から選挙イヤーと騒がれてきた2024年も半ばにさしかかり、また大きな選挙で結果が出た。インド総選挙だ。
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