報道陣を前に「不正の撲滅は無理」とまで断言した[型式指定を巡る不正に関し記者会見するトヨタの豊田章男会長=2024年6月3日](C)時事

 トヨタ自動車が業界内外から批判にさらされている。日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機とグループ企業で相次いで自動車の認証試験での不正が発覚したのを受けて、トヨタの豊田章男会長は品質保証の適正化と不正の再発防止の徹底を主導する方針を示していた

 ところが、トヨタ自らの不正も明るみに出ると、一転して日本の型式認証制度に問題があると主張。国土交通省は自動車メーカーの相次ぐ不正発覚に厳罰化も視野に入れており、国内自動車メーカーやサプライヤーはトヨタグループと豊田会長に冷ややかな視線を送っている。

「おまえもかという感じ」

 国交省は自動車メーカー、輸入事業者、部品メーカーに対して過去10年間、型式指定制度での不正の有無を調べるように指示。調査の結果、トヨタのほか、ホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機の5社で認証試験の不正が見つかった。現在も「調査中」の自動車メーカーがあり、波紋はさらに広がる可能性もある。

 型式指定制度は、自動車の安全性や環境性能を1台ずつ検査する手間を省くため、車種ごとに一括して認証する制度だ。自動車メーカーは試験結果などを国交省に申請し、これをパスすれば型式が指定され量産できる。

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