「不正の撲滅は無理」と居直ったトヨタ会長、日本車に「信頼低下」「厳罰化」のダブル不安

IN-DEPTH【ニュースの深層】

2024年6月20日
タグ: 財界
エリア: アジア その他
報道陣を前に「不正の撲滅は無理」とまで断言した[型式指定を巡る不正に関し記者会見するトヨタの豊田章男会長=2024年6月3日](C)時事
子会社の不正を正すとアピールしながら、自社に火の手が及んでからは「日本の型式認証制度に問題がある」との主張を展開したトヨタの豊田章男会長。しかし、日本は多くの国と型式認証を相互承認しており、同会長の発言は海外市場での日本車の信頼低下に繋がりかねない。国交省の対策検討会が厳罰化方針を打ち出す可能性もあり、業界関係者はトヨタの居直りに「黙って頭を下げてほしい」との恨み節を口にする。

 トヨタ自動車が業界内外から批判にさらされている。日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機とグループ企業で相次いで自動車の認証試験での不正が発覚したのを受けて、トヨタの豊田章男会長は品質保証の適正化と不正の再発防止の徹底を主導する方針を示していた

 ところが、トヨタ自らの不正も明るみに出ると、一転して日本の型式認証制度に問題があると主張。国土交通省は自動車メーカーの相次ぐ不正発覚に厳罰化も視野に入れており、国内自動車メーカーやサプライヤーはトヨタグループと豊田会長に冷ややかな視線を送っている。

「おまえもかという感じ」

 国交省は自動車メーカー、輸入事業者、部品メーカーに対して過去10年間、型式指定制度での不正の有無を調べるように指示。調査の結果、トヨタのほか、ホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハ発動機の5社で認証試験の不正が見つかった。現在も「調査中」の自動車メーカーがあり、波紋はさらに広がる可能性もある。……

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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