
トルコ南東部ガズィアンテップ市から車で1時間ほどのヒュリエット村の小学校では、子供たちが日本語で話しかけてきた(以下、写真はすべて筆者撮影=2024年5月29日)
埼玉県南部川口、蕨市では、ここ数年、在留クルド系トルコ人(以下クルド人)の数が増えるにつれて、特に若年層のクルド人による車の暴走行為、騒音、コンビニ周辺での「たむろ」などの迷惑行為が問題化し、暴行、窃盗などの犯罪も起きている。これに対して、主に地元外からやってきた人々による、明らかに排外主義的なデモが川口駅前で行われるなど、やや騒然とした雰囲気になっている。
彼らが日本に在留する理由が「我々はトルコに帰ると政治的に迫害される難民」という主張だ。かわいそうなクルド人をすべて難民認定せよ、と叫ぶ人々と、クルド人を全て国外追放せよと叫ぶ人々が、地元民そっちのけで街頭やSNSの世界でぶつかっている。クルド人の中には正規の在留資格を得て当地に住んでいる人もいるのだから、すべて追い出せ、という主張がヘイトであることは言うまでもない。
まず冷静に現実を見る必要があるのではないか。そもそも、彼らがなぜ日本にやってくるのか、トルコの出身地の現状を知ることなしには、難民認定、あるいは非認定の妥当性も判断できないのではないか。
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