
マリーヌ・ルペン氏を頂点とする国民連合の統制が揺らぐ気配はうかがえない[総選挙決選投票の翌日、国民連合本部に姿を現したルペン氏=2024年7月8日、フランス・パリ](C)EPA=時事
元副党首に会いに行く
筆者が今回投宿したのは、パリ南部14区、モンパルナス駅南方の場末のホテルだった。周囲には、公式掲示板以外の街角にも、新人民戦線の選挙ポスターがべたべた貼られている。パリ市内では、比較的裕福で年齢層が高い西半分で中道の与党連合が、労働者層や移民が多い東半分で左派左翼の新人民戦線が、優位に立つ。14区はその境目にあたり、票の奪い合いが激しいことをうかがわせた。
一方で、国民連合のポスターはほとんど見当たらない。フランス全土を席巻する国民連合にとって、パリ首都圏周辺はほぼ唯一浸透できていない地域であり、最初から捨ててかかってポスターも貼らずに済ませたのかもしれない。

パリの投票所前に立てられた選挙ポスターの公式掲示板(筆者撮影)
6月30日の第1回投票は、その傾向を予想以上に鮮烈な形で示した。
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