いわば「右寄りの新ベルルスコーニ」、ジョルジャ・メローニはイタリアをどこに導くか
2024年9月19日
ナショナリストとしてのメローニが目指しているのは、ベルルスコーニにもできなかった、大統領権限の削減と首相権限の強化による統治機構改革だ[2024年9月16日、イタリア・ローマ](C)EPA=時事
今年はイタリアがG7の議長国であり、政権発足から間もなく2年となるジョルジャ・メローニ首相の手腕も注目されている。政権発足当初こそネオ・ファシストの系譜を引く政治家として警戒されたものの、現在は現実的でプラクティカルな政治家としての評価を固めつつある。6月の欧州議会選挙では、自らが率いる右派政党「イタリアの同胞」(FDI)が2022年の総選挙(得票率26.0%)を上回る得票率28.8%で国内第1党をキープし、分裂した左派野党を尻目に、右派連立政権の政策は着々と実行されている。
ただし、右派の躍進によって、欧州議会で中道右派・左派の親欧州会派の合計が過半数を割れば、メローニが中道右派と急進右派を結びつけるキャスティング・ヴォートを握る存在になるのではないかとの選挙前のメディアの見立ては外れた。リベラル派が後退しつつも左派が予想以上に善戦したため、親欧州派の過半数割れはなく、ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長はこれまでの主要3派から環境・自治派まで支持を広げ、欧州議会で前回以上の得票で再選された。
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