節目の日本外交が着手すべき日中「戦略的互恵関係」の発展的な再定義
2024年11月6日
新政権に対する中国の期待はかなり高い[東アジアサミット(EAS)が開催されたラオスで中国の李強首相と会談した石破首相=2024年10月10日、ラオス・ビエンチャン](C)時事
2022年秋の中国共産党第20回党大会を境目として、中国の国内情勢に変化が生じている。17年の第19回党大会における野心的な内外政策と、その後の言動から、自己主張の強い強権的な習近平政権という見方が定着した。現在、それを一部修正する必要が出てきているのだ。
中国は、今や世界第二の大国となり、存在感を高め、影響力を増している。中国の変化を敏感に捉え、中国との関係に随時修正を加えていくことは、日本のみならず世界にとっても必要不可欠な作業だ。日本は、そのように変化を続ける中国と、これから如何に付き合って行けば良いのであろうか。
政治的な安全を求めない不満分子の増加
習近平政権の求心力は、22年秋の党大会の直後、ゼロ・コロナ政策という鳴り物入りの政策が、突然、180度転換されたことにより大きく減じた。その後、その件には誰も言及せず、あたかもそんな政策をやったことはないという態度をとられれば、政権への信任、政策への信頼は揺らぐ。
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