クルスク州に北朝鮮軍が集中投入、狙いは“トランプ停戦”までのクルスク奪還?
2024年11月20日

北朝鮮軍はロシア西部クルスク州に加え、ウクライナ東部ドネツク州でも活動している可能性がある(筆者の分析に基づき編集部作成)
1万人を超える北朝鮮軍のロシアへの派兵は、この戦争の地域的なエスカレーションを示すものであり、その影響が朝鮮半島及び北東アジアにまで拡大する危険性を孕んでいる。北朝鮮は、これまでに800万発を超えるとされる砲弾やミサイルなど、兵器による支援でロシアを助けてきたが、兵士を送りこむ見返りとして、ロシアからの人工衛星やミサイルなどの高度な技術支援の獲得及びドローン運用など現代的な戦闘技術の習得が期待できる。
一方ロシアの現状は、毎日1000人以上の兵士を損耗する攻撃を加えても思うように戦況が進展せず、ウクライナ軍に占領されたロシア西部クルスク州の自国領土も、ウラジーミル・プーチン大統領が指示した10月1日までに奪回できていない。ロシアとしても、これまで格下扱いをしてきた北朝鮮の人的戦力に頼るしかないのが実情であろう。双方の思惑が一致するこの派兵は、6月に締結されたロシアと北朝鮮の「包括的戦略的パートナーシップ条約」の絆を実質的に深めることとなり、今後両国の連携が地域的にも、軍事協力の内容的にも拡大していくことが懸念される。
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