与党内の連立相手「フォルツァ・イタリア」と「同盟」の動向が鍵となる[メローニ首相(中央)とサルヴィーニ・副首相兼インフラ相(左)、ウルソ・ビジネス相(右)=2024年12月18日、イタリア・ローマ](C)EPA=時事

 

EU唯一の安定政権として米欧の橋渡し

 メローニはその後、2012年に「イタリアの同胞」結成に参加し、14年からは党首を務めている。2022年の総選挙で勝利を収め、首相に就任した。

 イタリア政治取材が長い独紙『フランクフルター・アルゲマイネ』ローマ支局長のマティアス・ルエブ(62)が評価するのはむしろ、メローニがその後も政権を安定して運営している点である。

「2年以上を経て、彼女の政党は依然として力を保ち続けています。与党の中道右派連合内部だけでなく、イタリアの政党全体を見ても最も強い影響力を持っています」

 政党支持率は、「同胞」が30%近くを得ており、いずれも9%前後にとどまる連立相手のフォルツァ・イタリアや「同盟」を大きく凌ぐ6。これが、内閣での主導権確保をメローニに許し、閣内が結束を保つことにつながっている。

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