新人運転手の7割が移民系、「ドイツ語を使わずに働ける」環境を整備する交通会社
2025年5月4日

バスの運転とドイツ語のトレーニングに臨む移民的背景を持つ新人運転手7人[ドイツ西部の交通会社ルールバンのインスタグラム(ruhrbahn_)より]
運転手不足による路線バス廃止のニュースが日本各地で相次いでいる。そんな深刻な人材不足に対応するため、2024年3月、特定技能制度に「自動車運送業」の追加が決定された。今後は日本でも、タクシーやバス、トラックの外国人運転手を目にすることが増えるだろう。
同様に労働者が不足するドイツでも、運輸業には移民的背景(Migrationshintergrund:本人もしくは両親のどちらかが生まれながらのドイツ人ではない出自)を持つ働き手が大幅に増えている。バスやトラムなどの運転手での移民割合は高まっており、新規に採用する運転手の大半は移民的背景のある人たちだというエッセン市のバス会社に、その実情を聞いた。ドイツ語があまり話せなくても仕事をできるよう、働く環境を変えているという実態が見えてきた。
バス・路面電車の運転手の半数近くが移民系
少子高齢化に伴う労働者不足に悩まされているドイツ。特に1960年代生まれのベビーブーマー世代の退職に伴い、現在、熟練労働者の不足が広い業界で顕在化している。そのため、ドイツの組織は外国から働き手を積極的に受け入れるほか、国内にすでにいる移民に訓練を提供し、労働者にする努力を続けている。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。