「ひとつの大きく美しい法案(OBBB)」は7月4日までの成立を目指す (C)REUTERS/Nathan Howard

「米国債離れ」「脱ドル」――ドナルド・トランプ大統領が4月2日、相互関税を発表してから、こうしたセンセーショナルなキーワードが世界中を駆け巡った。しかし、イスラエルとイランの軍事衝突や米軍によるイラン核施設攻撃後は、「有事のドル買い」が復活。米国資産をめぐり、思惑が錯綜している実態を表す。税制改正法の延長などが盛り込まれた大型減税法案「ひとつの大きく美しい法案(OBBB)」が成立すれば、再び「米国売り」が復活するのではないかとの懸念が囁かれたが、これも現時点では解消傾向にある。

裏切るなら「議会の共和党は即座に対応」

 スコット・ベッセント財務長官は6月26日、米企業にグローバル・ミニマム課税を適用しない合意を主要7カ国(G7)と取り付けたとして、共和党上下院指導部にOBBBに含まれていた「内国歳入法899条」の削除を要請上院財政委員長のマイク・クレイポ議員(アイダホ)と、下院歳入委員長のジェイソン・スミス議員(ミズーリ)は、当該条項の撤回で合意を表明した。ただし、「他の関係者がこの合意から手を引く、または実施を遅らせるような行動を取るならば、議会の共和党は即座に対応する用意がある」とも付言した。

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