
『労働新聞』の記事は同行した娘に触れていないが、写真ではその存在感が目立つ[2025年6月26日に朝鮮中央通信(KCNA)が公表した写真=北朝鮮・元山](C)EPA=時事
6月24日、元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区の竣工式が挙行された。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が1年間に4回(2018年5月25日、8月15日、10月30日、2019年4月5日)も現地指導を行う時期があったほどの肝いり事業だが、経済制裁のみならず、2020年以降はコロナ禍のため、工期延長が繰り返されていた。今年は朝鮮労働党創建80周年であることから、昨年末には満を持して今年6月の竣工が予告されていた。日本海に面した元山は緯度で言えば山形県と同じであり、海水浴を楽しめる夏は長くない。
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竣工式2日後の26日付は、金正恩によるテープカットや夜間に野外で開催された記念公演などについて4ページを使って詳報した。記事では触れられていないものの、掲載写真や朝鮮中央テレビの映像では娘の存在感が目立つ。李雪主(リ・ソルジュ)夫人が1年半ぶりに表舞台に登場したが、常に父娘の後ろにおり、ファーストレディ役は娘が担っているように見える。金正恩は娘、夫人のほか、金与正(キム・ヨジョン)党中央委員会副部長ら数多くの幹部ともに、メインビーチである明沙十里(ミョンサシムニ)、葛麻牡丹峰(モランボン)旅館、明沙十里ホテルなどを見て回った。
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