FRB次期議長に指名されたウォーシュ氏は、米金利の上昇回避への「期待」を生んだ(C)AFP=時事

 

レートチェックで意識される「プラザ2.0」

 大統領執務室に飾られる絵は、政権交代の象徴だ。ドナルド・トランプ氏は第7代大統領アンドリュー・ジャクソンの肖像画を外し、ひときわ大きな第40代大統領ロナルド・レーガンの肖像画に掛け替えた。これは、トランプ政権がレーガン流継承する姿勢を示すと解釈された。

 米財務省は1月23日、ニューヨーク連銀を代理人としてレートチェックを実施した。これによる対円でのドル急落局面で、トランプ氏は「(ドル安は)すばらしい」と発言、ドル安容認と受け止められた。レーガン政権は1985年の「プラザ合意」によるドル高是正で歴史的転換点を作っている。市場関係者の間では、通貨政策もその範に倣うということで「プラザ合意2.0」を予想する向きも少なくない。

【大統領執務室のレーガン肖像画】
出所:The White House/Flickr

 外交問題評議会(CFR)のシニア・フェロー、レベッカ・パターソン氏は「『マールアラーゴ合意』が現実のものとなりつつある」と指摘する。第2次トランプ政権でCEA(大統領経済諮問委員会)委員長に就き、現在はFRB(米連邦準備制度理事会)理事として大統領の意を体した大胆な利下げを唱えるスティーブン・ミラン氏は、政権発足前に「世界貿易システム再構築のためのユーザーズ・ガイド」と題する政策提言を発表している。ここに示された構想が「マールアラーゴ合意」と称されるが、このうち関税を世界経済秩序の再編に活用し、欧州にGDP(国内総生産)比5%への国防費引き上げを受け入れさせ、供給拡大によるエネルギー価格抑制を図る部分は実行された。次に着手されるのは、①ドル安誘導のための為替介入、②利回り上昇抑制のための財務省とFRBの緊密な連携、③対米投資への課税――とパターソン氏は予想する。

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