ベナンのタロン政権は、奴隷貿易で栄えたダホメ王国の歴史を観光資源化する政策などを進めている[クーデター未遂事件の後、タロン大統領を支持する集会に集まった人々=2025年12月10日、ベナン・コトヌー](C)AFP=時事

ベナン:与党が議席を独占、奴隷貿易を観光資源化

 前編で概説した西アフリカの全体情勢を念頭に、今回私が訪問した3カ国を、事例として取り上げてみよう。それら3カ国の中で、対テロ戦争の余波が一番具体的に及んできているのは、ベナンだ。

 ベナンは比較的安定した政権を維持できているが、事実上の首都コトヌーを中心とする沿岸部に政治経済の主な活動が集積しており、北部との格差が見られる。そこに北部で国境を接するブルキナファソ、ニジェール、ナイジェリアの騒乱の影響が及んできている。マリからはJNIMが、ニジェールからはISGS(「イスラム国サヘル州」)が、国境を越えてベナン領内に侵入してきている。密輸ネットワークの構築が主な目的とされ、ベナン人のほうでもテロ組織の呼びかけに呼応し、一定の連携関係を持つ動きがあるとされる。

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