極左集団「反ファシスト若者防衛隊」との乱闘で死亡したネオナチ系極右活動家、カンタン・ドランクの追悼行進に集まった人々。他方で右翼「国民連合」は議員や支持者に対し、こうしたデモに参加しないよう呼びかけた [2026年2月21日、フランス・リヨン](C)AFP=時事

 

 近年のフランスの選挙で、人々の関心事の多くは毎度のごとく、右翼「国民連合」の動向である。なぜあれほどの支持を集めるのか、勢いがどこまで続くのか、将来政権を取るのではないか。しかし、3月15日と22日に投開票があったフランス統一地方選では、その主役の座が左翼「不屈のフランス」に移ったかのようだった。その前月に起きた出来事をきっかけに、「左翼の方が危険では」との疑念が広まったからである。

会場外の乱闘

「不屈のフランス」の欧州議会議員リマ・アサン(33)は、華やかな容姿と派手な活動ぶりから、時に最高実力者ジャン=リュック・メランション(74)以上の関心を集める左翼政治家である。シリア・アレッポ近くのパレスチナ難民キャンプに生まれ、10歳の時に家族を頼ってフランスに渡り、2010年に帰化した。反イスラエル、親ハマスの強硬な立場で知られ、その言動はしばしば物議を醸す。2024年7月には、欧州議会で人権委員会副委員長への就任を目指したものの、右派「レピュブリカン」(共和主義者)の議員フランソワ=グザヴィエ・ベラミ(40)の反対で就任を阻止されたことを根に持って「夜ゆっくり寝られるのも今のうちだ」とXでポストし、ベラミから検察に告訴された。一方で、一部の左翼系若者たちからは絶大なる支持を集める。2025年6月にはスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリ(23)とともに船でパレスチナ自治区ガザを目指し、イスラエル当局に拘束されて強制送還された。

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