オルバーン政権とその与党フィデスはウクライナを事実上の「敵対国家」と位置づけてきた[総選挙前日、ウクライナのゼレンスキー大統領とマジャル氏を非難するプラカードを掲げたフィデス支持者=2026年4月11日、ハンガリー・ブダペスト](C)Krisztian Elek / SOPA Images via Reuters Connect

 

対ウクライナ関係:「親ウクライナ」ではないティサ

 オルバーン政権は、2014年以降のウクライナによる言語政策に反対するなど、同国との対立を深めてきた。2022年にロシア・ウクライナ戦争が勃発して以降、オルバーン政権は国内における権力維持の手段としてウクライナを事実上の「敵対国家」と位置づけてきた。当初は反EUの議論に組み込む形で、ウクライナを腐敗国家あるいは破綻国家として描き出し10、今回の選挙戦においては、『Autocracy, Inc.』の著者であるアン・アプルボームが指摘するように、「ハンガリーをウクライナの植民地にはさせない」といった、実在しない「敵」への恐怖を煽る手法を積極的に採用した11。こうしたオルバーン政権の言動に対し、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が「(オルバーン首相の)所在地を軍に伝える」と脅迫とも受け取られかねない発言を行ったことは、日本でも大きく報じられた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。