華人企業家人脈で対中関係打開を狙うアキノ比大統領

樋泉克夫
執筆者:樋泉克夫 2012年6月21日

 南シナ海のスカボロー礁(中国名で黄岩島)海域で中国側とにらみ合い状態にあったフィリピン艦船は、6月17日、台風接近を理由にアキノ大統領から出された撤収命令を受け、同海域を離れたと報じられる。だが、事態が根本的に収拾したわけではない。南シナ海ほぼ全域を自らの領海と主張して憚らない中国の高圧的態度に対し、不快感を隠さない周辺関係各国という図式が解消されることは、当分の間はないだろう。

 ところで中国に対し俄かに強硬姿勢に転じた感のあるアキノ大統領だが、どうやら強硬姿勢一辺倒というわけでもなく硬軟両方の姿勢をみせる。「硬」がスカボロー礁への艦船出動なら、さしずめ「軟」は歴代大統領の手法から学習した、華人企業家人脈を介在させた対中関係の打開への模索だろう。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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