漁業というと、日本では「低収入の零細事業」「高齢化による後継者不足」といったイメージがつきまとう。実際、日本の漁業・養殖業の生産量は減り続けている。沿岸漁業で生計を立てる家庭で、漁による年収は平均200万円あまり。漁業就業者の約半数は60歳以上だ。
しかし、世界的に見ると魚食は拡大傾向にあり、漁業も成長産業と見なされている。ニュージーランドや欧州各国では、多くの若手従事者を吸収し、設備の近代化や販路拡大に忙しい。
なかでも典型的な例が、欧州随一の水産国ノルウェーだ。徹底的な資源管理と合理化を推し進め、数千万円の年収を得る漁業者が少なくないという。輸出する魚は国際競争力を持つ商品として広く流通しており、サバ、サーモンなどは日本の食卓を席巻している。
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