両国の思わぬ急接近の背景には、北海油田枯渇でエネルギー域外依存度が高まる欧州を見越したロシアの戦略がある。[モスクワ発]九月十六日、世界最大の天然ガス会社であるロシア国営ガスプロムは、バレンツ海にある巨大ガス田「シュトックマン」開発事業への参加候補企業を発表した。シュトックマンはロシア北西端のコラ半島から五百五十キロ沖合の海底に眠るガス田だ。厳寒の北極圏での開発費は最低二百億ドルと見積もられ、その採算性が疑問視されたこともあった。が、原油やガスの相場急騰で世界の石油メジャーは同事業への参画を一転熱望、ロシア政府に積極的に働きかけていたのだ。
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