医療業界の不祥事が続いている。特に深刻なのは臨床研究だ。例えば、慢性骨髄性白血病(CML)治療薬の副作用研究のため、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科を中心に22の医療機関が参加した「SIGN試験」では、研究計画書からデータ収集、学会発表まで、スイス製薬大手の日本法人で当の薬剤の製造販売会社である 「ノバルティスファーマ社(ノ社)」が関与し、結果を医師が「医師主導臨床研究」として発表していたことが判明している。ノ社の営業担当者が、黒川峰夫・東大教授(血液・腫瘍内科)の名前で各施設にメールを送っていたというのだから、開いた口が塞がらない。勿論、お手盛りの研究結果は自社製品の販促活動に利用した。4月3日、ノ社の幹部が総退陣したが、現時点で真相が十分に解明されたとは言い難い。
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