王室改革の先端を走る北欧。二〇〇九年にもホットなニュースがスウェーデンとデンマークから飛び込んできた。
スウェーデンでは二月、皇太子ビクトリア王女(三二)の婚約が発表された。お相手のダニエル・ベストリングさん(三六)はスポーツジムの経営者で、父は地方公務員、母は郵便局職員という普通の若者だ。体育専門学校を卒業し、兵役に服した後に開業した。王女の個人トレーナーを務めたのがなれそめで、七年前から交際が報じられていた。
王女は赤いワンピースにポニーテールという初々しいいでたちで会見に臨み、「ダニエルと一緒だと気持ちが落ち着きます」と話し、頬を染めた。ベストリングさんは「イエスの返事を待っていました。自信があったわけではありません」とプロポーズの思い出を披露した。会場には金屏風もファンファーレもなく、装飾は卓上の小さな花瓶だけ。目を合わせてはにかむ二人と、二人を暖かく見守る国王夫妻は、どこにでもいる幸せな家族そのものだった。

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