インド「干ばつ」騒ぎは杞憂に終わるか

 例年、春先から夏にかけてインドのメディアは毎日のように「モンスーン」の動向を伝え、国民がこれに一喜一憂する。モンスーンとは6~9月にインド亜大陸を覆う低気圧による降雨のことだが、インド気象局(IMD)は6月上旬、今年のモンスーン期の降雨量が平年比マイナス12%という「干ばつ」に近いレベルになるとの予報を発表。農民だけでなくビジネス界や政府をも巻き込んだ騒ぎとなった。それというのも、農地の灌漑普及率が50%にも満たないインドではモンスーン期序盤の雨を待って種まきをするケースが多く、この時期に十分な雨が降らないと作付けや作物の生育が遅れて不作につながり、インド経済全体の足を引っ張りかねないからだ。

 

国の経済成長を左右する農業部門

 インドの国内総生産(GDP)に対する農業の比重は約15%程度しかないが、農村には8億人以上の人が暮らしているため、農業の不振は広い範囲で消費の減退をもたらし、経済成長の阻害要因となる。2002年度にはモンスーン期の降雨量が平年比マイナス19.2%という干ばつに見舞われ、農業部門のGDPが大きく落ち込んで国全体の成長率も3.8%と不振を極めた。借金返済に行き詰まった農民が農薬を飲んで相次ぎ自殺し、大きな社会問題となったのもこの頃だ。最近でも2009年度と昨年2014年度にもインドは深刻な降雨量不足に見舞われている。

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