香港から見た「抗日勝利70周年」での習近平「新冊封」戦略

樋泉克夫

(承前)バンコクの空港出発ロビーでも、香港への機内でも、香港空港の入境カウンター前でも、聞こえて来るのはタイ人が「チン・デーン(赤い中国人)」と呼ぶようになった中国人の騒めき。彼らの出国意欲は一向に衰えていないようだ。“蜜の味”を知ってしまった以上、この動きは止められないだろう。

 

「大陸客」の不動産“爆買い”

 中国経済の先行き不安、上海株の乱高下などが伝えられているだけに、さぞや香港も不況の風が吹いているかと思いきや、そうではなさそうだ。香港経済の好況を探る最も簡便な指標であるレストランの客入り情況と料理の註文具合を探ろうと、“定点観測”を続けている馴染みの店を覗く。不況時はガラガラに近い店内も、今回は満席に近い。昼食時も1時前後で客筋が変わる。前半は大陸からの観光客(以下、大陸客)で、後半は大陸客を避けた地元のサラリーマン。とはいえ、大陸客も地元客も値の張る料理を注文するとのこと。定点観測の結果としては、香港は好況と結論づけたいところ。香港経済の大黒柱である不動産ビジネスは依然として好調らしい。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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