インド「牛肉殺人」の波紋:政治家の消極対応で「宗教対立再燃」の懸念も

執筆者:緒方麻也 2015年10月20日
カテゴリ: 国際 政治 社会

 牛を殺して牛肉を食べた、として、デリー近郊の村に住むイスラム教徒男性が、怒った群集に撲殺された「牛肉殺人事件」の余波が、インド全土に広がっている。宗教的にセンシティブな問題ということもあり、モディ首相をはじめとする政治家は事態収拾や介入にはやや消極的だが、問題を放置すればヒンドゥー・イスラム教徒間の宗教対立が再燃する恐れもある。

 ことの起こりは9月末、デリーに隣接する北部ウッタルプラデシュ州ダドリ村で、家に牛肉を所持していたとのうわさが広がったムハンマド・アクラクさん(50)が数百人の群集から殴る蹴るの暴行を受けて死亡。息子も意識不明の重体となった。インドでは窃盗犯や強姦犯が村人のリンチに遭い、警察に引き渡される前に殺害される、といった事件が後を絶たないが、今回の事件は結果的にまたしてもインドの異質性や後進性を強調する結果となった。

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