「一般投票数」が「勝利」に結びつかない「大統領選挙人団制度」への疑問符

執筆者:足立正彦 2016年12月28日
エリア: 北米

投票日翌日、沈痛な面持ちで敗北宣言をしたクリントン氏。制度が変わっていれば……(C)AFP=時事

 

 11月8日に行われた米国大統領選挙で共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏が民主党大統領候補であったヒラリー・クリントン前国務長官に勝利し、約3週間後の2017年1月20日に第45代大統領に正式に就任することになる。選挙では、トランプ氏が当選に必要な大統領選挙人538人の過半数である270人を大幅に上回る306人を獲得した。これは2000年の初当選と2004年の再選で共和党大統領候補であったジョージ・W.ブッシュ氏が獲得した271人、286名をそれぞれ上回り、共和党大統領候補としては1992年以降の過去7回中、最多の大統領選挙人を獲得したことになる。他方、クリントン氏の大統領選挙人獲得数は232人だった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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