北朝鮮ミサイル「同時着弾」の意味(上)米「先制攻撃への恐怖」が背景

執筆者:伊藤俊幸 2017年3月14日
エリア: 北米 アジア
 
 

 

2002年に発表したブッシュ・ドクトリンは、「先制戦争」を容認するものだった (c)EPA=時事

 北朝鮮が3月6日に行った4発の弾道ミサイル発射は、様々な衝撃をわれわれに与えた。

 朝鮮中央通信は翌日7日、「有事の際に在日米軍基地への攻撃を担う朝鮮人民軍戦略軍火星砲兵部隊の訓練だった」とし、「米国と韓国が(北朝鮮に対し)ただ一点の火花でも散らすなら、核弾頭を装塡(そうてん)した火星砲で侵略と挑発の本拠地を焦土化する決死の覚悟を固くした」と報じた。つまり北朝鮮は「在日米軍基地攻撃用部隊を保有」しており、その部隊は「有事の際は核を搭載する」と意図を公表したのだ。更にその訓練内容が「日米の弾道ミサイル防衛を意識した発射訓練」という恫喝だったことだ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
伊藤俊幸(いとうとしゆき) 元海将、金沢工業大学虎ノ門大学院教授、日本戦略研究フォーラム政策提言委員、日本安全保障・危機管理学会理事。1958年生まれ。防衛大学校機械工学科卒業、筑波大学大学院地域研究科修了。潜水艦はやしお艦長、在米国防衛駐在官、第二潜水隊司令、海幕広報室長、海幕情報課長、情報本部情報官、海幕指揮通信情報部長、第二術科学校長、統合幕僚学校長を経て、海上自衛隊呉地方総監を最後に2015年8月退官。
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