【特別対談】「韓国」「北朝鮮」との「向き合い方」(6・了)

執筆者:小此木政夫,平井久志 2017年8月24日
2015年12月、慰安婦問題で「最終的かつ不可逆的解決」に合意した岸田文雄外相(左)と尹炳世韓国外相だったが (C)EPA=時事

 

小此木政夫:政治的個性には、国家的というよりも、民族的なものもあります。もちろん、重なっている部分もあるでしょう。南北に共通する、民族的な個性は何かですね。もちろん、その1つには強烈な民族主義(ナショナリズム)でしょうね。それがなければ、大国に囲まれた朝鮮民族は生き残れなかった。

朱子学の「正邪」の思想

小此木:政治文化的には、儒教、とりわけ朱子学の正邪の思想が特徴的です。何が正しくて何が不正なのか。朝鮮民族はそれに非常にこだわるのです。それは韓国でも、北朝鮮でも同じです。言葉遣いまで似ています。朱子学の伝統からくるものでしょう。朝鮮の朱子学的な伝統は中国以上に強いのではないかと思います。だから、朝鮮文化は知識人の文化と庶民の文化に二分されます。

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執筆者プロフィール
小此木政夫 慶應義塾大学名誉教授、九州大学特任教授。1945年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業、同大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士(慶應義塾大学)。慶應義塾大学助教授、ハワイ大学朝鮮研究センター客員研究員、ジョージ・ワシントン大学中ソ研究所客員研究員などを経て、慶應義塾大学教授。慶應義塾大学地域研究センター所長、法学部長、法学研究科委員長を歴任した。専門は国際政治論、現代韓国朝鮮政治論。著書に『朝鮮戦争――米国の介入過程』(中央公論)、共著・編著に『日韓関係の争点』(藤原書店)、『朝鮮半島の秩序再編』(慶應義塾大学出版会)など多数。
執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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