今年5月14日の記事で、ナイジェリアの武装組織ボコ・ハラムについて書いた(「『ボコ・ハラム』はなぜ多数の女子生徒を拉致したのか」)。今年4月に同国北東部で200人以上の少女を拉致し、オバマ米政権が少女の救出のためにナイジェリア政府に支援を申し出たことで俄かに日本メディアの注目を浴びた、あのナイジェリアのイスラム武装組織である。

 その後、イラク情勢の急変、イスラエルのガザ侵攻、ウクライナでのマレーシア機撃墜といった大きな国際ニュースが相次ぎ、例によってアフリカ発のボコ・ハラムのニュースはメディアから消えていった。だが、当然ながら、ボコ・ハラムは今なお消滅してはいない。それどころか、拉致された200人以上の少女は、今も救出されていない。

 7月27日、ナイジェリアの東隣のカメルーン北部に滞在していた同国のアリ副首相の一行がボコ・ハラムに襲撃され、副首相の妻が拉致されてしまった。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査によると、今年1月から6月までの半年間にボコ・ハラムに殺害された人の数は、少なくとも2053人に上る。世界最高水準の軍事作戦能力を有する米国がナイジェリア政府に支援を申し出ながら、なぜボコ・ハラムは壊滅せず、3カ月以上も前に拉致された少女らは一向に救出されないのだろうか。

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