この写真に世界が感嘆した

 

 前回この欄で、訪日したサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子に対する安倍晋三首相の厚遇について書いた(2016年9月14日「親日『サウジ副皇太子』へ安倍首相『異例の厚遇』」)。実はムハンマド副皇太子に絡んでもう1つ触れておきたいことがある。それはアラブの王室の日本の皇室に対する深い尊敬の念である。

 

世界が称賛した写真

 副皇太子は8月31日から9月3日まで日本に滞在し、9月1日、天皇陛下は皇居・御所で副皇太子と会見した。

 会見で天皇陛下が「東日本大震災の際にお見舞いをいただいたことに感謝します」と述べると、副皇太子は「それは我々の義務です。日本は極めて重要なパートナーなので、困っているときにはそばに寄り添うのが真の友人です」と語った。

 会見は御所の一室で行われたが、この時の写真がフェイスブックやツイッターなどを通じて世界で大きな反響を呼んだ。何の飾り気もない部屋で、装飾といえば草花を活けた花瓶が1つあるだけ。障子から明かりが差し込む凛とした気品ある空間の中で、天皇と副皇太子が向かい合い、言葉を交わしている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。